トライベッカ映画祭は今年、AIによって生成された映画のみを上映する特別部門「Sora Shorts」という 「他に類を見ない 」プログラムを発表した。選ばれた5人の映画制作者は、Open AIのSoraにいち早くアクセスし、専用の作品を制作した。このように、世界最大級の映画・映像祭は、人工知能の進歩を受け入れ、議論の場を提供している。詳細は以下の通りだ。
映画祭がAIによって完成された作品（全部または一部）を上映するのは、これが初めてではない。ランウェイが毎年開催しているAI映画祭についても記事にした。しかし、これはまさにSoraのスクリーンデビューであり、またこのような大きな映画祭としては前例のない動きでもある。この部門を主催するために、トライベッカは、現在AIを開発している最大手企業のひとつであるOpenAIと提携した。
Soraとは？
OpenAIのSoraは、ユーザーのテキスト記述のみに基づいて最大1分のクリップを作成できるAIテキスト・トゥ・ビデオ・ジェネレーターだ。このツールの最初のデモンストレーションは、業界の専門家とアマチュアの間で大きな話題と議論を呼んだ。その一貫性とフォトリアリズムのレベルは、興奮と同時に恐怖を呼び起こした。それ以来、Soraがどのビデオでトレーニングされたかという倫理的な問題を含め、さまざまな問題が生じている。
Soraはまだクローズドベータ版で、一般には公開されていない。時折、OpenAIは、初期アクセス権を得た選ばれた映像制作者やクリエイターが作成したキュレーション結果の一部を紹介している。
Sora Shortsとは？
トライベッカはOpenAIと共同で、特別プログラム 「Sora Shorts 」のために5人の映画制作者に依頼し、OpenAIのビデオジェネレーターへのアクセスを許可した。参加者には、ボニー・ディセポロ、エリー・フンビ、レザ・シクソ・サファイ、ミカエラ・ターナスキー＝ホランド、そして2022年にホラー長編デビュー作『Nanny』でサンダンス審査員大賞を受賞したニクヤツ・ジュスが含まれる。(Sora Shortsの各クリエイターについては、こちらを参照）。
Sora Shortsは6月15日に開催される。20分間の上映の後、制作者たちはOpenAIのCOOのブラッド・ライトキャップと共にパネルディスカッションに参加する。
その背景にある考え
ニュートライベッカの映画祭プログラムは、探求の精神に基づいていると言われている。そのため、選ばれた映画製作者たちは、数週間しかAI映画を作る時間がない。
トライベッカは、ストーリーテリングが変化を促すという基本的な信念に根ざしています。人間が成長し、この素晴らしくも壊れた世界を理解するためには物語が必要です。これらのストーリーは、長編映画、没入型体験、アート作品、あるいはAIが生成した短編映画として私たちの前に現れることもあります。トライベッカのクリエイティブな卒業生たちが、どんな作品を生み出すのか楽しみです。
トライベッカ・エンタープライズの共同設立者兼CEOのジェーン・ローゼンタール氏
トライベッカは22年の歴史があり、常に様々なフォーマットや部門を開発していることで知られている。例えば、数年前にはビデオゲーム部門を新設した。(そのため、当初の名称から 「Film 」という単語を削除した）。だから、AIが生成した映画を特別なアートとして扱う最初の映画祭になるのも不思議ではない。
あなたは「Sora Shorts」を見るだろうか？
しかし、映画祭の観客がどう反応するかは気になるところだ。AI映像ジェネレーターは、今年の我々の記事やレビューで最も議論されたトピックのひとつだ。(最新のものは、Soraの競合になろうとしているGoogleのVeoに捧げられたものだ）。ジェネレイティブ・テクノロジーの発展は、多くの業界関係者を自分のキャリアをどう進めるかについて迷わせている。これらのツールが成長し、進歩するスピードがかなり速く、その結果規制がないことに対する反発が大きいことは言うまでもない。
トライベッカ・フェスティバルは6月5日から16日までニューヨークで開催される。
画像出典：MidjourneyがSoraが作成したクリップの静止画を統合して作成した。
